対戦型ゲームやカードゲームの世界では、勝利をつかむための共通言語が存在します。私が長年ゲーム業界を見てきた中で、初心者が最初に覚えるべき最も重要な概念が「Tier(ティア)」です。
この言葉の意味を正しく理解できていないと、どれだけ練習しても勝てないという理不尽な状況に陥りかねません。本記事では、Tier1の定義から各ジャンルでの決まり方、関連するスラングまでを徹底的に解説します。
Tierの意味と基本定義|なぜゲームで使われるのか
Tierという言葉は、ゲームにおいてキャラクターやデッキの強さを表す指標として使われます。ここでは、その基本的な意味と構造について詳しく見ていきましょう。
Tier(ティア)とは階層のこと|ランク付けの仕組み
Tierはもともと「段」や「階層」を意味する英単語です。ゲームにおいては、キャラクターや武器、デッキなどを強さのレベルごとにグループ分けするために使われます。
ランキングが1位から順位をつけるのに対し、Tierは「同等の強さを持つ集団」として分類するのが特徴です。私が初心者に説明するときは、学校の成績評価のようなものだと伝えています。
一般的な階層分けは以下のようになります。
| 階層 | 定義 | 特徴 |
|---|---|---|
| Tier 1 | 最上位 | 環境の中心。最も勝利に近い選択肢。 |
| Tier 2 | 準上位 | Tier 1に対抗できる実力がある。 |
| Tier 3 | 中堅 | 特定の状況では強いが、弱点も多い。 |
| Tier 4 | 環境外 | 競技シーンでの採用は厳しい。 |
この階層は固定されたものではありません。アップデートや新戦術の発見によって、日々変動していくものです。
Tier1は環境トップの強さ|勝率と使用率の関係
Tier1とは、現時点でのゲーム環境において最も強力で支配的なグループを指します。単にステータスが高いだけでなく、弱点が少なく、多くの相手に有利に戦えることが条件です。
私が分析する際、Tier1と認定するには高い「勝率」と「使用率」の両方が必要だと考えます。いくら強くても誰も使っていないキャラクターは、対策が進んでいないだけの可能性があります。
逆に、使用率が高くても勝率が低い場合は、人気があるだけで実力は伴っていないと判断できます。真のTier1は、誰もが使い、それでもなお勝ち続ける圧倒的な存在感を放ちます。
数字とアルファベットの違い|Sランクとの関係性
Tierの表記には、数字を使う場合とアルファベットを使う場合の2種類があります。どちらも本質的な意味は同じですが、ゲームの文化によって使い分けられています。
数字の場合は「Tier 1」が頂点であり、数字が増えるほど評価が下がります。これはTCGや海外のeスポーツ記事でよく見られる形式です。
一方、日本のゲームや一部のジャンルでは「Sランク」を最高とするアルファベット方式が主流です。この場合の関係性は以下のようになります。
- S-Tier = Tier 1(最強)
- A-Tier = Tier 2(強い)
- B-Tier = Tier 3(普通)
最近では『Apex Legends』のように、S-TierとTier1を同義語として扱うタイトルも増えています。表記が違っても、一番上が最強であることに変わりはありません。
ゲームジャンル別|Tier1の決まり方と基準
「強さ」の定義はゲームのジャンルによって異なります。私がそれぞれのジャンルで重要視しているTier1の決定基準を解説します。
格闘ゲームのTier1|ダイヤグラムと相性
格闘ゲームにおいて、Tier1を決めるのは「ダイヤグラム」と呼ばれる相性表です。全キャラクターとの対戦相性を数値化し、その合計値が高いキャラクターが上位に来ます。
理論値と実測値のズレ
格闘ゲームのTierリストを見るときに注意すべきなのは、それが「理論値」に基づいている点です。プロゲーマーが完璧な操作をした場合を想定して作られています。
難しいコンボを100%成功させることが前提のため、一般プレイヤーには参考にならないことがあります。私が初心者にアドバイスするときは、プロのTier表を鵜呑みにせず、自分の実力に合ったキャラを選ぶよう勧めています。
初心者にとっての強キャラ
初心者帯では、操作が簡単で技の判定が強いキャラクターが実質的なTier1になります。いわゆる「わからん殺し」ができるキャラクターです。
プロシーンでは評価が低くても、初中級者帯では無双できるケースは珍しくありません。自分がプレイするランク帯に合わせて、Tier1の定義を使い分ける柔軟さが求められます。
MOBAとFPSのTier1|データとメタゲーム
『League of Legends』や『Valorant』などのチーム戦ゲームでは、膨大な対戦データがTier決定の根拠になります。客観的な数字がすべてを物語ります。
ビッグデータによる客観的評価
これらのゲームでは、数百万試合のデータから「勝率」「使用率」「BAN率(使用禁止率)」が算出されます。私が特に注目するのは「BAN率」です。
BAN率が高いキャラクターは、プレイヤーたちが「戦いたくない」「敵に来られると負ける」と恐れている証拠です。勝率以上に、そのキャラクターの潜在的な脅威度を正確に反映しています。
チーム構成とシナジーの重要性
チーム戦のシューターでは、個人の強さだけでなく、チームへの貢献度がTierを左右します。特定のキャラ同士を組み合わせたときのシナジー効果が評価対象になります。
単体では弱くても、必須級のサポート能力を持つキャラは不動のTier1として扱われます。マップによって有利なキャラが変わるため、状況に応じたTier変動も激しいのが特徴です。
TCGのTier1|大会分布と環境支配率
遊戯王やMTGなどのカードゲームでは、大会での「使用率(シェア)」がTier1を決める最大の要因です。大会上位入賞者のデッキ分布がそのままTier表になります。
圧倒的なTier0の存在
カードゲームには時折、Tier1を超越した「Tier0」と呼ばれる環境が現れます。一つのデッキタイプが大会参加者の50%〜60%以上を占めるような異常事態です。
この状態になると、プレイヤーの選択肢は「その最強デッキを使う」か「そのデッキを倒すためだけのデッキを使う」の二択になります。私が過去に経験したTier0環境は、ゲームバランスが崩壊しているものの、ある種の伝説として語り継がれています。
メタゲームの変遷と対策
TCGのTier1は、対策されることによって目まぐるしく入れ替わります。Tier1が流行すると、それに有利なデッキが研究され、新たなTier1として浮上します。
この循環を「メタゲームが回る」と表現します。常に最新の大会結果をチェックし、流行を読み解く情報収集能力がカードゲーマーには必須です。
Tierに関連するゲーム用語とスラング
Tier1という言葉から派生して、様々なスラングが生まれています。ゲーマー同士の会話についていくために、これらの用語も押さえておきましょう。
God Tierとぶっ壊れ|規格外の強さ
Tier1の上を行く存在として「God Tier(ゴッドティア)」という言葉があります。文字通り神の領域に達しており、ゲームバランスを無視した強さを誇ります。
日本語では「ぶっ壊れ」と表現されることが多いです。性能が高すぎてゲームを壊しているという意味ですが、使っている側からすると爽快で楽しいというニュアンスも含まれます。
新キャラクターが「ぶっ壊れ」で登場し、過去のTier1が一瞬で過去のものになる現象は、運営型ゲームの宿命と言えます。
人権キャラ|持っていないと始まらない
日本のソーシャルゲーム特有の強烈な表現が「人権キャラ」です。これを持っていないと、高難易度クエストに参加する資格すらないという意味で使われます。
通常のTier1は「使うと有利になる」程度ですが、人権キャラは「必須」です。私がこの言葉を聞くときは、プレイヤーたちの課金に対する悲痛な叫びと、勝利への執着を感じます。
持っていないだけでマルチプレイでキックされることもあるため、確保することの重要度は通常のTier1を遥かに凌駕します。
まとめ|Tier1を理解して勝利をつかむ
Tier1とは、多くのプレイヤーが検証し、実績を積み重ねて導き出した「勝利への最適解」です。この情報を活用することで、無駄な試行錯誤を減らし、効率よく上達できます。
しかし、Tier1を使うことが全てではありません。私が最も大切だと思うのは、Tier情報を参考にしつつ、自分が使っていて楽しいと思えるスタイルを見つけることです。
情報に振り回されすぎず、知識を武器にしてゲームを楽しんでください。Tierの概念を理解したあなたなら、次はランクマッチでより高い景色を見ることができるはずです。

