Braveブラウザは、広告ブロック機能やプライバシー保護機能を標準搭載したWebブラウザとして人気があります。しかし、一部では「危険ではないか?」という疑問の声もあります。
本記事では、Braveの安全性や過去の情報漏洩の事例、安全に利用するための対策について詳しく解説します。
Braveブラウザの安全性
Braveは、プライバシー保護を重視して開発されたブラウザです。どのような点で安全なのかを見ていきましょう。
広告とトラッキングの自動ブロック
Braveは、広告やトラッキングをデフォルトでブロックする機能を備えています。これにより、以下のようなメリットがあります。
- 悪質な広告によるフィッシング詐欺のリスクを低減
- 追跡型広告からプライバシーを守る
- Webサイトの読み込み速度が向上
特に、Google ChromeやMicrosoft Edgeなどの一般的なブラウザでは、広告ブロックをするには拡張機能が必要ですが、Braveは標準でこの機能が搭載されています。
HTTPS Everywhereによる安全な通信
Braveには「HTTPS Everywhere」という機能が組み込まれており、Webサイトとの通信を可能な限り暗号化されたHTTPSに自動変換します。
これにより、以下のリスクを防ぐことができます。
- ネットワーク上での盗聴
- 中間者攻撃(MITM攻撃)による情報改ざん
この機能は、特に公共Wi-Fiを使用する際に役立ちます。
オープンソースによる透明性
Braveはオープンソースのブラウザであり、ソースコードが公開されています。そのため、第三者のセキュリティ専門家がコードを監査し、不正な動作や脆弱性を発見しやすいという利点があります。
Google ChromeやMicrosoft Edgeは一部のコードが非公開ですが、Braveは全体がオープンソースであるため、ユーザーにとって信頼性が高いといえます。
Braveブラウザの過去の情報漏洩と懸念点
Braveは高いセキュリティを誇るブラウザですが、過去にいくつかの問題も指摘されてきました。
検索クエリのリダイレクト問題
2020年、Braveブラウザが一部の検索クエリを提携企業のアフィリエイトリンクにリダイレクトしていたことが発覚しました。
例えば、Braveのアドレスバーで「binance」と入力すると、BraveのアフィリエイトIDが埋め込まれたURLにリダイレクトされていました。
この問題に対して、Braveの開発チームはすぐに修正し、今後は事前にユーザーへ通知することを約束しました。
ユーザーの行動データ収集に関する誤解
Braveは広告をブロックする一方で、独自の広告配信システム(Brave Ads)を導入しています。これは、プライバシーを守りながら広告を配信する仕組みですが、一部のユーザーから「データを収集しているのでは?」という疑問が生じました。
実際には、Brave Adsはユーザーの行動をサーバーに送信することなく、ローカルデバイス上で広告のマッチングを行います。そのため、従来の広告システムよりもプライバシーに配慮されています。
企業の信頼性について
Brave Software社はアメリカに拠点を置いていますが、過去に「中国企業ではないか?」という噂が広まりました。
しかし、実際にはBraveの開発者は元MozillaのCEOであり、透明性のある運営を行っています。オープンソースの特性上、不審な動作があればすぐに発見されるため、特定の国家の影響を受けにくいといえます。
Braveブラウザを安全に使うための対策
Braveをより安全に利用するために、以下の設定や対策を行いましょう。
プライバシー設定を見直す
Braveにはさまざまなプライバシー設定があります。以下の設定を有効にすると、さらに安全に利用できます。
- 「プライベートウィンドウでTorを使用」
通常のシークレットモードに加えて、Torネットワークを利用できるため、IPアドレスを匿名化できます。 - 「スクリプトブロック」をオンにする
JavaScriptによる不要なトラッキングやマルウェア感染を防げます。 - 「ブラウザの指紋採取防止」を強化する
Webサイトがユーザーの環境情報を収集するのを防ぎます。
定期的にアップデートする
Braveはオープンソースのため、セキュリティの脆弱性が発見されると迅速に修正されます。常に最新バージョンを使用することで、セキュリティリスクを軽減できます。
拡張機能の管理に注意
BraveはChrome拡張機能をインストールできますが、悪意のある拡張機能が存在する可能性があります。
- 不要な拡張機能は削除する
- 信頼できる開発元の拡張機能のみを使用する
これにより、不正なデータ収集やマルウェア感染のリスクを低減できます。
まとめ
Braveブラウザは、高いプライバシー保護機能を備えた安全なブラウザですが、過去にいくつかの問題も指摘されています。
Braveの安全性が高い理由
- 広告・トラッキングを自動ブロック
- HTTPS Everywhereで安全な通信を確保
- オープンソースによる透明性
懸念点と対策
- 過去の検索クエリリダイレクト問題 → 修正済み
- 行動データ収集の誤解 → ローカル処理でプライバシー保護
- 企業の信頼性 → オープンソースで監視可能
安全に利用するためのポイント
- プライバシー設定を最適化
- 定期的にアップデートを行う
- 拡張機能を慎重に選ぶ
Braveはプライバシーを重視するユーザーにとって非常に優れた選択肢ですが、適切な設定を行うことでさらに安全に利用できます。