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草壁シトヒ
くさかべしとひ
普通の会社員でブログ歴は10年以上。

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【中学生用】かんたんで楽しい『理科』の自由研究テーマ

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中学校の理科の自由研究、テーマ選びに悩んでいませんか。

どうせやるなら、かんたんで、楽しくて、しかも評価されるものがいい

そう考えるのは当然です。

この記事では、私が実践している、中学生に最適な「かんたんで楽しい」理科の自由研究テーマの見つけ方と、高評価につながるまとめ方のコツを徹底解説します。

タップできる目次

中学生の自由研究|「簡単」の本当の意味とテーマ選びのコツ

中学生の自由研究で求められる「簡単」は、小学校低学年の「作業がすぐ終わる」とは意味が違います。

本当のポイントは、「考察がしやすい」こと、これに尽きます。

「1日で終わる」研究の落とし穴|作業と考察のバランス

多くの人が「1日で終わる」研究を探します。

しかし、作業があまりに単純すぎると、レポートに書くべき「結果」や「考察」が何も得られない事態になります。

中学生の研究では、ペットボトルで竜巻を作るような「現象の再現」だけでは評価されにくいです。

なぜそうなったのかを科学的に分析する「考察」こそが最も重要視されます。

おすすめテーマの選び方|「比較」できるものが最適

私がおすすめする「本当に簡単な」テーマとは、「作業は単純」でありながら「明確なデータが取れる」ものです。

具体的には、温度や濃度、材料の種類など、「条件を一つだけ変えて比較する」実験がベストです。

条件を変えて比較することで、結果の違いが明確になり、考察が非常に書きやすくなります。

「AとBを比べたら、Cという違いが出た。その理由はDだと考えられる」という論理的なレポートが書けます。

分野別おすすめテーマ一覧表

ここでは、作業が比較的簡単で、なおかつ「考察しやすい(=レポート推奨度が高い)」テーマを紹介します。

テーマ理科分野中核概念推定時間レポート推奨度
10円玉をピカピカに化学酸化還元1時間
水に卵を浮かせる物理密度、浮力1時間
ジュースからDNAを取り出す生物遺伝子1時間
唾液(消化酵素)の働き生物酵素、消化2時間
スライム作り化学高分子化学1時間
ペットボトルで夕焼け物理光の散乱30分

スライム作りは、材料の比率を変えて硬さを「比較測定」すれば「高」になります。

「低」評価のテーマは、現象は面白いものの、中学生が科学的に考察するのが難しく、「作ってみた」という感想文で終わりがちなものです。

【分野別】簡単なのに高評価!おすすめ実験テーマガイド

レポート推奨度が「高」だったテーマについて、具体的な実験の進め方と考察のヒントを解説します。

単なる「作業」を「研究」に格上げする視点が重要です。

化学編|10円玉ピカピカ実験(酸化還元)

10円玉のサビ(酸化銅)を落とす実験は、化学反応の速度を比較する優れた研究になります。

ただ「きれいにする」だけでは、5分で終わる作業です。

実験のポイント|酸と塩分で比較する

この実験の鍵は「比較」です。

(1) 酢、(2) レモン果汁、(3) 醤油、(4) ケチャップ、(5) ソース、(6) 水(比較対照)など、家庭にある液体を複数用意します。

「酸性度が強いほどきれいになる」という仮説を立てがちです。

しかし、実際には酸(酢)と食塩の両方を含むケチャップやソースが強力な効果を発揮します。

この「なぜ」を突き詰めるのが研究です。

考察のヒント

結果を「きれいになった順」でランキングにします。

「仮説では酸性の強さが重要だと考えたが、結果は違った。酢(酸のみ)より、酢と食塩を含むケチャップの方が圧倒的に速かった。このことから、10円玉のサビを落とす反応には、酸と塩分の両方が関わっていると考えられる」

このように、仮説と結果を比べて分析します。

化学編|スライムの性質研究(高分子化学)

スライム作りは「工作」で終わりやすいテーマの代表格です。

これを「科学」にするには、「物性」の変化を測定する必要があります。

実験のポイント|比率を変えて硬さを測定する

洗濯のり(PVA)とホウ砂の「比率」を変えて、5種類ほどのスライムを作ります。

「ホウ砂(架橋剤)の濃度が高いほど、スライムは硬くなる」という仮説を立てます。

その「硬さ」や「弾力」を数値化します。

例えば、「30cmの高さから落としたときの、跳ね返った高さ(cm)」や「1分間で垂れ下がった長さ(cm)」を測定します。

考察のヒント

ホウ砂濃度と「跳ね返った高さ」をグラフにします。

「ホウ砂濃度1%では跳ね返らなかったが、5%では10cm跳ね返った。この結果は仮説を支持している。ホウ砂がPVA分子の『橋渡し』の役割を果たし、その密度がスライムの弾力性を決めていることがわかった」

このように、データに基づいて結論を導きます。

物理編|卵を浮かせる実験(密度)

水に卵を浮かせる実験は、「密度」という目に見えない物理量を「数値化」する素晴らしい実験です。

ただ浮かせただけではデモンストレーションです。

実験のポイント|食塩の量で密度を「数値化」する

真水に沈む卵を用意します。

そこに食塩を10gずつ正確に計りながら溶かしていきます。

卵が水中に浮遊し始めた(または浮き上がった)瞬間の、「加えた食塩の総量」を記録します。

考察のヒント

結果から、その食塩水の「密度」を計算します。

例えば、水500ml(500g)に食塩60gで卵が浮いたとします。

密度 = 質量(500g + 60g) ÷ 体積(500ml) = $1.12 g/cm^3$

「卵が浮き始めたときの食塩水の密度は約 $1.12 g/cm^3$ であった。したがって、この卵の密度は $1.12 g/cm^3$ と推定できる」

これが「定量化」です。

生物編|DNA抽出実験

ブロッコリーやジュースからDNAを取り出す実験は、非常にインパクトがあり、レポートも書きやすいテーマです。

生命の設計図が目に見える瞬間に立ち会えます。

実験のポイント|身近な食材から取り出す

材料は、ブロッコリー、食器用洗剤、食塩、冷やしたエタノールです。

手順は「すり潰す」「混ぜる」「濾(こ)す」「静かに注ぐ」だけです。

水(濾液)とエタノールの境界面に、白い綿のようなDNAが浮かび上がってきます。

考察のヒント

「なぜ」その操作が必要だったかを一つずつ分析します。

「すり潰す」|細胞壁を壊すため。

「洗剤」|細胞膜(脂質)を溶かすため。

「食塩水」|DNAを溶かしやすく、安定させるため。

「エタノール」|DNAはエタノールに溶けない性質を利用し、目に見える形で取り出すため。

これらの役割を調べることで、細胞の構造とDNAの性質を深く理解できます。

実験キットを「研究」に格上げする賢い使い方

市販の実験キットは非常に便利です。

しかし、中学生が使う際には注意が必要です。

キットの「罠」に注意|説明書通りはNG

多くのキットは小学生向けに作られています。

説明書通りに「レモン電池を作ってLEDを光らせた」だけでは、「説明書を読んだ」だけであり「研究」とはみなされません。

私がいつも気をつけているのは、キットを「ツール(道具)」として使うことです。

キットを格上げする「比較」の視点

キットを使って「自分だけの仮説」を検証します。

例えば、レモン電池キットなら、

  • 悪い例|「レモンでLEDが光った」
  • 良い例|「仮説|果物の酸性度が強いほど高い電圧が出るはずだ」実験|キットの電圧計を使い、(1)レモン、(2)リンゴ、(3)ジャガイモ、(4)備長炭など、複数の材料の電圧を「測定・比較」する。

水のろ過キットなら、

  • 悪い例|「汚い水がきれいになった」
  • 良い例|「仮説|ろ過材の中で活性炭が最も濁りを取る効果が高いはずだ」実験|ろ過材を (1)砂利のみ、(2)砂のみ、(3)活性炭のみ、と条件を変えて、ろ過後の水の透明度を「比較・分析」する。

評価が上がる!自由研究レポート(まとめ)の書き方

どんなに素晴らしい実験をしても、レポートの構成が間違っていると評価はされません。

科学的な論文の「型」に沿って書くことが絶対条件です。

レポートの基本構成|8つの項目を押さえよう

自由研究のレポート(まとめ)は、以下の8つの項目で構成するのが標準です。

  1. テーマ名
  2. 動機と目的(なぜ、何を明らかにするか)
  3. 仮説(結果の予想)
  4. 準備したもの
  5. 研究の方法(手順)
  6. 実験結果(データ、表、グラフ)
  7. 考察(最も重要)
  8. 感想と今後の課題

差がつく「動機・仮説・考察」の書き方

評価者が最も重視するのが「動機」「仮説」「考察」の3点です。

これらは、一つの物語として連動している必要があります。

  • 動機|「なぜ」その研究をしようと思ったか。(例|10円玉が汚れていた)
  • 仮説|動機に基づき、自分なりの「予想」を立てる。(例|酸性の液体ならきれいになるはずだ)
  • 考察|「結果」と「仮説」を比べる。(例|仮説は正しくなかった。酸性度よりも、酸と食塩の両方があることが重要だとわかった)

最も悪い考察は、結果をそのまま書くことです。

「ケチャップが一番きれいになった」これは「結果」です。

「なぜケチャップが一番だったのか、仮説と比べてどうだったか」を科学的に分析するのが「考察」です。

伝わるポスター(模造紙)作成のコツ

ポスター発表は「一目でわかる」ことが命です。

文章をダラダラ書かず、箇条書きやグラフ、写真を多用します。

レイアウトは「1. 目的」「2. 方法」「3. 結果」「4. 考察」のように番号を振り、読む順番を明確にします。

学術的なルールとして、

  • 「表」のタイトルは、表の上
  • 「図」や「写真」のタイトルは、図の下このルールを守るだけで、ポスターは格段に専門的に見えます。

まとめ|自由研究は「考察」がすべて

中学生の理科の自由研究を成功させる鍵は、テーマの珍しさではありません。

10円玉の実験や卵の実験のような「ありきたり」なテーマでも、「明確な仮説」を立て、「条件を変えて比較」し、「データに基づいて科学的に考察」する、という基本プロセスを忠実に実行することが、最も高く評価されます。

この記事を参考に、ぜひ「作業」を「研究」に格上げする、楽しい自由研究に挑戦してみてください。

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