Braveブラウザのシークレットモード(プライベートウィンドウ)は、閲覧履歴やCookieを保存しない便利な機能ですが、「完全な匿名性」は保証されていません。多くのユーザーは「シークレットモードを使えば誰にも追跡されない」と誤解しがちですが、実際にはサーバーやネットワーク管理者にはアクセス履歴が残る可能性があります。
この記事では、Braveのシークレットモードの仕組みと注意点について詳しく解説します。
Braveのシークレットモードとは?
Braveのシークレットモードは、通常のブラウジングとは異なり、閲覧履歴やCookieをブラウザに保存しない機能です。このモードを活用することで、同じデバイスを使う他のユーザーに履歴を見られる心配がなくなります。
シークレットモードの基本機能
- 閲覧履歴やダウンロード履歴を保存しない
- Cookieやサイトデータをセッション終了時に削除
- フォーム入力データを記録しない
このため、たとえば共用のPCで一時的に検索をしたい場合に役立ちます。
通常モードとの違い
通常モードでは、ブラウザがサイトデータを保存し、次回のアクセスをスムーズにします。一方、シークレットモードでは、ウィンドウを閉じるとすべてのデータが消去されます。
しかし、これはあくまでも「端末内での記録を残さない」だけであり、完全な匿名性を確保するわけではありません。
Braveシークレットモードの注意点
Braveのシークレットモードには、以下のような注意点があります。
1. サーバーやネットワーク管理者には履歴が残る
シークレットモードを使っても、インターネットサービスプロバイダー(ISP)や会社・学校のネットワーク管理者は、アクセス履歴を監視できます。これにより、特定のサイトにアクセスしたことが記録される可能性があります。
対策: VPNを使用すれば、通信を暗号化し、より高い匿名性を確保できます。
2. ダウンロードファイルは削除されない
シークレットモードでダウンロードしたファイルは、ブラウザの履歴には残らないものの、PCやスマートフォンのストレージにはそのまま保存されます。これを忘れてしまうと、あとで他の人に見られるリスクがあります。
対策: 機密性の高いファイルは、ダウンロード後に手動で削除する習慣をつけましょう。
3. 拡張機能の影響
通常、Braveのシークレットモードでは拡張機能が無効になります。しかし、ユーザーが設定を変更すれば有効化できます。ただし、特定の拡張機能がデータを収集する可能性もあるため、プライバシーを確保したい場合は注意が必要です。
対策: シークレットモードで拡張機能を使用するかどうかを事前に確認しましょう。
4. Webサイト側での追跡
一部のWebサイトでは、ブラウザの「指紋情報」などを使って、シークレットモードでもユーザーを識別することができます。たとえば、広告ネットワークや大手Webサービスは、ログイン情報や端末情報をもとに個人を特定することが可能です。
対策: Braveの「Torモード」を利用することで、より高度な匿名性を確保できます。
Braveシークレットモードを安全に使う方法
Braveのシークレットモードを活用する際に、より安全に使うための方法を紹介します。
1. Braveの「Torモード」を活用する
Braveには「Torモード」という特別なシークレットモードが搭載されています。通常のシークレットモードとは異なり、Torネットワークを経由することでIPアドレスを匿名化できます。
手順:
- Braveブラウザを開く
- メニューから「新しいプライベートウィンドウ(Tor使用)」を選択
ただし、Torネットワークは速度が遅くなることがあるため、通常のWeb閲覧には向いていません。
2. VPNを併用する
VPNを使用することで、ネットワーク管理者やISPからの監視を回避できます。VPNはインターネット通信を暗号化し、IPアドレスを変更するため、プライバシーを強化できます。
おすすめのVPNサービスの特徴:
- ノーログポリシーを採用している
- 速度が速く、安定している
- Braveと併用しやすい
3. Cookieブロック設定を強化する
Braveの「プライバシーとセキュリティ」設定で、Cookieのブロックを強化することで、トラッキングのリスクを減らせます。
設定方法:
- 設定メニューを開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「Cookieとサイトデータ」から「サードパーティのCookieをブロック」に変更
まとめ
Braveのシークレットモードは、端末内に履歴を残さないという点で便利ですが、完全な匿名性を提供するものではありません。特に以下の点に注意が必要です。
- ネットワーク管理者やISPには履歴が残る可能性がある
- ダウンロードしたファイルは端末に残る
- 拡張機能がプライバシーに影響を与える可能性がある
- Webサイト側でのトラッキングを受ける可能性がある
より高い匿名性を求める場合は、Torモードの使用やVPNの併用を検討しましょう。シークレットモードを過信せず、適切な対策を取ることが大切です。